不倫の示談交渉を自分でする流れと直接連絡を避けた方がよいケース

川沿いのベンチで資料を広げ、直接交渉を避けるべき状況も含めて示談の進め方を考える女性

配偶者の不倫が発覚した際、弁護士などを介さずに当事者同士で話し合い、示談交渉を進めようと考える方もいます。自分で交渉を行うことで費用を抑えたり、迅速な解決を目指したりできるメリットがある一方、感情的な対立が生じやすかったり、不当な要求を突きつけられたりするリスクも存在します。

示談交渉を円滑に進めるためには、事前の準備をしっかりと整え、どのような流れで話し合いが進むのかを正確に把握しておくことが重要です。また、状況によっては直接連絡を取ること自体が精神的な負担を増やし、事態を悪化させる原因になることもあります。この記事では、不倫の示談交渉を自分で行う際の手順や示談書作成の注意点、アンド直接交渉を控えるべきケースについて冷静に整理して解説します。

目次

不倫の示談交渉を始める前に整理すること

示談交渉をスムーズに進め、納得のいく解決を図るためには、いきなり相手に連絡を取るのではなく、事前に自分の意思や客観的な状況を冷静に整理しておく必要があります。

解決の目的と譲れない条件を明確にする

交渉を始めるにあたり、まず「自分がこの話し合いを通じて何を目指すのか」を明確にします。配偶者との婚姻関係を継続したまま不倫相手にのみ慰謝料を請求するのか、それとも離婚を前提として配偶者と不倫相手の双方に責任を求めるのかによって、提示すべき条件は大きく異なります。

また、慰謝料の希望金額だけでなく、不倫相手との接触禁止や謝罪の有無など、ゆずれない条件と交渉に応じられる範囲をあらかじめ書き出して整理しておくことが大切です。軸を定めておくことで、話し合いの最中に感情が揺れ動いても冷静な判断を保ちやすくなります。

交渉を支える客観的な証拠をそろえる

示談交渉では、主張の根拠となる証拠の有無が非常に大きな意味を持ちます。相手が不貞行為の事実を認めなかったり、言い逃れをしようとしたりした際に、客観的な事実を示す資料がなければ交渉が行き詰まってしまうためです。

肉体関係があったことを推認できるメッセージの履歴や写真、書面など、手元にある証拠を時系列で整理しておきましょう。なお、証拠集めの詳細な方法については専門の解説記事に譲りますが、違法な手段で集めた証拠はかえってトラブルを招く恐れがあるため、注意して取り扱う必要があります。

請求・回答・条件調整・合意までの流れ

当事者間で示談を進める場合は、口頭での行き当たりばったりのやり取りを避け、段階を踏んで静かに交渉を積み重ねていくことが求められます。

書面やメールでの初期請求と回答の受領

交渉のスタートとして、まずは請求内容を記載した文書や電子メールを送付するのが一般的です。対面や電話での直接の会話は感情的になりやすいため、初期の段階ではやり取りの履歴が形に残る手段を選ぶのが望ましいといえます。

請求文書には、不貞行為に対する慰謝料の請求であること、希望する金額、支払い期日、そして回答の送付先を明記します。相手に熟慮する時間を与えるため、回答期限は送付から1週間から2週間程度に設定するのが適当です。

慰謝料額や支払い方法など条件のすり合わせ

相手から回答が得られたら、具体的な条件の調整に入ります。相手が請求金額をそのまま受け入れるケースは少なく、減額の申し入れや分割払いの提案がなされることが一般的です。

相手の提示した事情や支払能力を考慮しつつ、事前に定めた譲れない条件と照らし合わせて検討を進めます。慰謝料の一般的な相場や法的性質についての詳しい解説は割愛しますが、提示額が不当に低い場合や誠意が見られない場合は、安易に応じず主張を整理し直す姿勢が求められます。

口約束を避けて示談書を作成する

すべての条件について合意に達したとしても、口頭の約束だけで終わらせてはいけません。後から「そんな約束はしていない」「支払う義務はない」と主張されるリスクを防ぐため、必ず書面を作成します。

示談書(合意書)に盛り込むべき必須項目

示談書には、両者が合意した内容を過不足なく正確に記載する必要があります。タイトルは「示談書」や「合意書」とし、当事者双方の氏名と住所、合意に達した年月日を明記します。

本文には、不貞行為があった事実の確認、慰謝料の総額、支払い期日、振込先口座を具体的に記載します。分割払いの場合は、毎月の支払額や支払日とともに、万が一支払いが滞った際の措置(期限の利益の喪失条項など)もあわせて定めておくことが重要です。

接触禁止条項や清算条項の重要性

金銭に関する条件だけでなく、今後のトラブル防止に向けた条項を入れることも欠かせません。代表的なものが、不倫相手に対して配偶者との私的な連絡や接触を一切禁じる「接触禁止条項」です。違反した場合の違約金を定めておくことで、抑止効果を高めることができます。

また、文章の最後には「本示談書に定めるもののほか、当事者間に何らの債権債務が存在しないことを確認する」という「清算条項」を盛り込みます。これにより、後から追加の金銭請求をされたり、蒸し返されたりする事態を防ぐことができます。

感情的対立や脅しがある場合は専門家を入れる

自分で示談交渉を行うことは可能ですが、あらゆるケースにおいて直接のやり取りが適しているわけではありません。状況によっては無理に当事者間で解決しようとせず、速やかに第三者を入れる判断が必要です。

当事者同士の直接交渉がリスクとなる状況

相手が不貞行為を頑なに否定している場合や、こちらに対して暴言・暴言まがいの脅しを行ってくる場合は、自分で交渉を続けるべきではありません。対立が激化すると、精神的な消耗が大きくなるばかりか、不意の発言が原因で思わぬ法的リスクを背負うことにもなりかねません。

また、相手が配偶者の職場や家族にバラすと威嚇してきたり、過剰なプレッシャーをかけてきたりする場合も危険です。恐怖心から不利な条件で合意してしまうのを防ぐため、直接の接触を即座に断つ必要があります。

弁護士などの専門家に依頼・相談するメリット

直接連絡を取ることに強い不安や危険を感じた場合は、弁護士を代理人として立てることが最も確実な対処法となります。弁護士に交渉を依頼することで、相手との連絡窓口をすべて弁護士事務所に変更でき、直接やり取りする必要が一切なくなります。

法的な根拠に基づいた交渉が行われるため、不当な減額要求を退けたり、適切な内容の示談書を作成できたりするメリットもあります。費用はかかりますが、心身の安全と正当な権利を守るための有効な選択肢として検討する価値があります。

まとめ

不倫の示談交渉を自分で行う際は、冷静な状況整理と確実な手続きの積み重ねが重要です。

まずは解決の目的やゆずれない条件を整理し、客観的な事実に基づいて段階的に話し合いを進めましょう。合意に達した際は、口約束で済ませず、接触禁止条項や清算条項を含めた適切な示談書を作成することがトラブル防止のカギとなります。

一方で、感情的な対立が激しい場合や相手から脅迫的な言動が見られる場合は、自分で解決しようと固執せず、弁護士などの専門家に相談して代理交渉を任せるのが安全です。ご自身の心身の健康と安全を最優先に考え、無理のない方法で問題解決を目指していきましょう。


参考情報

  • 裁判所「民事調停手続き」
  • 日本弁護士連合会「弁護士費用や法律相談について」
  • 法テラス(日本司法支援センター)「不倫・慰謝料に関するご相談」

注意事項

※この記事は一般的な情報を提供するものであり、個別の法律上の判断や手続きの結果を保証するものではありません。具体的な示談交渉や示談書の作成にあたっては、弁護士などの専門家へご相談ください。

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この記事を書いた人

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