夫婦喧嘩で正しさを証明したくなったとき考えたいこと|勝っても関係が悪くなる理由

夫婦喧嘩のあと、川沿いの遊歩道で距離を置いて歩く夫婦を描いたモノクロイラスト。

夫婦喧嘩をしていると、

「どう考えても自分のほうが正しい」

と思う瞬間があります。

相手の言っていることには矛盾がある。

こちらには説明できる理由がある。

過去の経緯を考えても、自分が責められる筋合いはない。

だから、

「きちんと説明すれば分かるはず」

「間違っていることを認めてもらいたい」

と思う。

ところが、実際には自分の主張が通ったあとも、夫婦関係が良くならないことがあります。

相手は黙った。

反論しなくなった。

その場ではこちらの意見どおりになった。

それなのに、以前より会話が減った。

態度が冷たくなった。

何を聞いても「もういい」と言われる。

そんな状態になることがあります。

夫婦関係では、

「どちらが正しいのか」と「二人の関係が良くなるか」は別の問題です。

正しい主張をすること自体が悪いわけではありません。

しかし、毎回「自分が正しいことを証明する」ことが目的になると、相手との関係そのものが少しずつ削られていくことがあります。

今回は、夫婦喧嘩で正しさにこだわりすぎると何が起きるのか、そして長い結婚生活で関係を守るために考えておきたい4つの視点を、フタリエ編集局が整理します。

目次

夫婦ほど「分かってくれるはず」という期待が大きくなる

職場の人や友人であれば、

「考え方が違う人もいる」

と比較的受け入れられることがあります。

しかし、夫や妻に対してはそう簡単ではありません。

「何年も一緒にいるんだから分かるでしょう」

「普通これくらい察するでしょう」

「どうして私の気持ちが分からないの?」

と感じやすくなります。

距離が近いからこそ期待も大きくなるのです。

そして期待が大きいほど、期待どおりではなかったときの失望も大きくなります。

他人なら流せる一言に腹が立つ。

友人なら気にしない行動に傷つく。

職場なら絶対に言わないような強い言葉を、パートナーには言ってしまう。

これは、

「夫婦だから何を言ってもいい」

ということではありません。

むしろ、

大切な相手だからこそ、感情が大きく動きやすい関係

だということです。

夫婦喧嘩で「勝った」と感じたときほど注意したい

口論になったとき、相手よりうまく説明できる人がいます。

過去の出来事を覚えている。

筋道を立てて話せる。

相手の矛盾を指摘できる。

その結果、

「だから私の言っていることが正しいでしょう」

と相手を言い負かす。

相手が黙れば、

「やっぱり反論できないんだ」

と思うかもしれません。

しかし、相手が黙った理由は本当に、

「あなたが正しいと納得したから」

でしょうか。

もう何を言っても無駄だと思った。

これ以上話したくなくなった。

言い返すとさらに責められると思った。

疲れた。

傷ついた。

そうした理由で会話を終わらせただけかもしれません。

つまり、

相手が反論しなくなったことは、納得した証拠とは限りません。

むしろ、「話しても仕方がない」と思わせてしまった可能性もあります。

一つ目の視点|夫婦喧嘩は勝敗を決める場ではない

夫婦の問題を、

「どちらが正しいか」

だけで考えると、必ず勝者と敗者が生まれます。

しかし、一緒に生活している相手を毎回負かしていたらどうなるでしょうか。

自分の主張は通ります。

その一方で、相手の中には、

「どうせ自分が何を言っても聞いてもらえない」

という感覚が積み重なっていきます。

家事分担の話。

お金の話。

育児の話。

休日の過ごし方。

親族との付き合い。

夫婦には、一回決めて終わる問題より、これから何度も話し合わなければならない問題のほうが多くあります。

だからこそ重要なのは、

「今回どちらが勝つか」

ではありません。

次もこの人と話したいと思える状態を残しておくこと

です。

正論でも言い方次第で関係は傷つく

たとえば、

「前にも説明したよね」

「普通に考えれば分かるでしょう」

「それはあなたの考え方がおかしい」

と言えば、内容としては正しい部分があるかもしれません。

しかし、相手が受け取るのは内容だけではありません。

「馬鹿にされた」

「見下された」

「対等に扱ってもらえなかった」

という感情も残ります。

夫婦喧嘩では、

正しいことを言うことと、相手を尊重することを両立させる

必要があります。

二つ目の視点|会話が続いていること自体に価値がある

夫婦関係が悪化しているとき、

激しい喧嘩をしている状態が最も危険に見えるかもしれません。

しかし、別の形で注意したいのが、

「もう何も言わなくなった状態」

です。

以前なら、

「どうして分かってくれないの?」

と怒っていた。

ところがある時から、

「別に」

「好きにすれば」

「もうどうでもいい」

としか言わなくなる。

これは一見すると喧嘩が減ったように見えます。

しかし、

「話せば何か変わる」

という期待そのものを失っている場合があります。

夫婦にとって深刻なのは、意見が違うことだけではありません。

相手と話す意味を感じなくなること

です。

「言わなくても分かる」は結婚生活では通用しにくい

長く暮らしていると、

「今さら説明しなくても分かるはず」

と思いやすくなります。

しかし、人間の気持ちは変化します。

20代で大切だったことが、40代でも同じとは限りません。

子どもが生まれる。

仕事が変わる。

親の介護が始まる。

体調が変化する。

生活環境が変われば、求めるものも変わります。

だから、

「昔はこれで良かった」

だけでは足りません。

夫婦関係では何度でも、

「今どう思っている?」

「最近どう?」

「私はこう感じている」

と確認する必要があります。

会話とは問題が起きたときだけに行うものではありません。

二人の現在地を確認し続ける行為

でもあります。

三つ目の視点|「相手を変えたい」の奥にある自分の気持ちを見る

夫婦問題では、

「夫にもっとこうしてほしい」

「妻に変わってほしい」

という気持ちが生まれます。

もっと家事をしてほしい。

もっと優しくしてほしい。

もっと話を聞いてほしい。

もっと稼いでほしい。

もっと家族を優先してほしい。

もっと愛情を示してほしい。

こうした希望を持つこと自体は自然です。

問題は、

「自分が望む人間に相手を変えなければ幸せになれない」

という状態になることです。

相手を変えようとしているときは、一度、

「なぜ私はそこまで相手に変わってほしいのだろう」

と考えてみる価値があります。

変えてほしい部分の奥には別の願いがある

たとえば、

「もっと早く帰ってきてほしい」

という要求の奥に、

「一人で家事と育児をしているのがつらい」

があるかもしれません。

「もっと私の話を聞いて」

の奥には、

「自分に関心を持ってほしい」

があるかもしれません。

「もっと稼いでほしい」

の奥には、

「将来のお金が不安で怖い」

があるかもしれません。

要求だけを伝えると、

相手には、

「自分を否定されている」

と聞こえることがあります。

しかし、その奥にある自分の気持ちまで整理できれば、

「あなたに変わってほしい」

から、

「私はこういうことが不安なんだ」

へと伝え方を変えることができます。

これは大きな違いです。

「あなたのため」は本当に相手のためなのか

夫婦の間では、

「あなたのためを思って言っている」

という言葉もよく使われます。

しかし、その中には、

自分の理想。

自分の不安。

自分の価値観。

自分が安心したい気持ち。

が含まれていることがあります。

たとえば、

「もっと出世を目指したほうがいい」

と言う。

本人は、

「夫の将来のため」

と思っているかもしれません。

しかし実際には、

「収入が増えないことへの自分の不安」

が大きいのかもしれません。

だから、

「相手のため」

という言葉を使う前に、

「これは本当に相手の希望なのか、それとも自分の希望なのか」

と確認することも大切です。

相手を受け入れることと、何でも我慢することは違う

ここで誤解したくないのは、

「相手を変えようとしない」

ことは、

「嫌なことも全部我慢する」

という意味ではないことです。

傷つく言葉を言われている。

家事や育児を一方的に押しつけられている。

約束を繰り返し破られている。

生活に支障が出る問題がある。

そのような状況で、

「ありのままの相手を受け入れなければ」

と我慢する必要はありません。

相手をコントロールしようとすることと、

自分の希望や境界線を伝えることは別です。

「私はこうしてほしい」

「これはつらい」

「この状態は受け入れられない」

と伝えることはできます。

重要なのは、

自分の意思を伝えることと、相手を強制的に変えることを区別すること

です。

四つ目の視点|夫婦関係は自然に維持されるものではない

交際していた頃は、

特別な努力をしなくても会いたかった。

相手から連絡が来るだけでうれしかった。

休日には自然とデートをした。

ところが結婚後は、

仕事。

家事。

育児。

住宅ローン。

学校行事。

親族関係。

さまざまな現実が二人の間に入ってきます。

すると、

「夫婦なんだから自然にうまくいく」

という状態ではなくなっていきます。

ここで必要になるのが、

関係を維持するための技術

です。

愛情だけで長い夫婦生活を維持するのは難しい

相手を好きという気持ちがあっても、

伝え方が悪ければ喧嘩になります。

愛情があっても、

感謝を一度も伝えなければ相手には分かりません。

相手を大切に思っていても、

忙しさに任せて何年も会話をしなければ距離は広がります。

だから長い夫婦生活では、

気持ちだけでなく、

伝える。

聞く。

謝る。

感謝する。

妥協する。

距離を取る。

話し合うタイミングを選ぶ。

といった技術も必要になります。

これは、

「計算して相手を扱う」

という意味ではありません。

好きだから自然にできることだけではなく、

関係を大切にしたいから意識して行うことがある

ということです。

仲の良い夫婦でも失敗する

夫婦関係を良くしようと考えると、

「いつも冷静でいなければ」

と思うかもしれません。

しかし、人間なので失敗します。

疲れていれば強く言ってしまう。

仕事で嫌なことがあれば不機嫌になる。

相手の一言に腹が立つ。

どうしても譲れない日もあります。

大切なのは、

一度も失敗しないことではありません。

傷つけたことに気づいたあとに、

「さっきの言い方は悪かった」

と言えるかどうかです。

喧嘩をしない夫婦を目標にするより、

喧嘩のあとに関係を修復できる夫婦

を目指したほうが現実的です。

イライラした瞬間に考えたい4つの質問

感情的になっているとき、長いことを考える余裕はありません。

そんなときには、次の4つだけ確認してみてください。

「私は今、相手に勝とうとしていないか」

「この言い方をしたあとも、相手は私と話したいと思えるだろうか」

「相手を変えたい理由の奥に、自分のどんな気持ちがあるのか」

「私は二人の関係を良くするために、今できることをしているか」

全部できなくても構いません。

一つでも思い出せれば、

その場で言おうとしていた一言を飲み込めることがあります。

そして、

「本当は何を言いたかったんだろう」

と考え直せることがあります。

「正しいか」ではなく「二人にとってどうか」を考える

夫婦関係には、唯一の正解がない問題がたくさんあります。

家事を50対50にするのが正しいのか。

生活費をどう分担するのが正しいのか。

休日は一緒に過ごすべきなのか。

毎日会話するべきなのか。

夫婦によって答えは違います。

だから、

「一般的に正しいのはどちらか」

より、

「私たち二人にとって続けられる形は何か」

を考えることが重要です。

夫婦関係は裁判ではありません。

どちらかが正しいと証明できても、それだけで二人が幸せになるとは限りません。

フタリエ編集局が考える、長く続く夫婦に必要なもの

長く続く夫婦というと、

性格が合う二人。

価値観が同じ二人。

喧嘩をしない二人。

を想像するかもしれません。

しかし、長く一緒にいれば違いは必ず見つかります。

だから重要なのは、

違わないことではありません。

違ったときに関係を壊さず扱えること

です。

自分の正しさだけで押し切らない。

会話を諦めない。

相手を思いどおりに変えようとしない。

そして、関係を維持するための努力を「負け」だと思わない。

こうした小さな積み重ねが、夫婦関係を作っていきます。

まとめ|夫婦で大切なのは「勝つこと」ではなく次も話せること

夫婦喧嘩をしている最中は、

「分からせたい」

という気持ちが強くなることがあります。

しかし、相手を言い負かしても、

会話そのものを失ってしまえば、二人の関係にとって本当に良い結果とは言えません。

夫婦関係で考えたいのは、

誰が正しいか。

どちらが勝ったか。

ではなく、

そのやり取りのあとも二人が話せる関係でいられるか

ということです。

相手を変えたくなったときには、

「なぜ私は変わってほしいのだろう」

と自分の気持ちを見る。

喧嘩になったときには、

「今、勝とうとしていないか」

と振り返る。

会話が面倒になったときには、

「話す価値がないと思い始めていないか」

を確認する。

そして、

夫婦関係は一度完成したら放っておいても続くものではないと考える。

相手を大切にしたいという気持ちだけではなく、

その気持ちを関係の中で使える形にしていく。

長い結婚生活で必要なのは、

完璧な相性ではなく、

二人の関係を何度でも調整し直せる力

なのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

フタリエ編集部は、不倫・浮気、托卵、DV・モラハラ、恋愛心理を中心に、恋愛・夫婦・家族の体験談と実用情報を発信しています。

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